ニュージーランド航空、現実的な解決策がないとして、主要航空会社として初めて非現実的な気候変動目標を断念

【Natural News】2024年8月2日 キャシー・B 著

https://www.naturalnews.com/2024-08-02-air-new-zealand-abandon-climate-goal.html

ニュージーランド航空は、ジェット機用の手頃な代替燃料や燃費の良い航空機の入手に苦労しているため、2030年の気候変動目標を断念した。


同航空会社はまた、2022年に国連の「科学的根拠に基づく目標(サイエンス・ベースド・ターゲッツ Science Based Targets)」イニシアティブから撤退することを発表した。


同航空会社は以前、絶対排出量を16.3%減少させるとともに、二酸化炭素排出量を2019年比で約29%減少させることを目指すと表明していた。

 

世界の航空業界が同期間中にわずか5%の削減を目標としていることを考えると、これは非常に野心的な目標であると考えられていた。


ニュージーランド航空のグレッグ・フォラン最高経営責任者(CEO)は、機材更新スケジュールの遅れによって目標が達成できなくなることが明らかになりつつあると述べた。


「世界的な製造およびサプライチェーンの問題により、より燃費の良い新型機の導入が遅れる可能性があるため、予定よりも長く既存の機材を維持する必要がある可能性があります」と述べ、「多くの要因がコントロールできないため、2030年の目標を断念する予定です」と付け加えた。


現在、より現実的な短期目標の設定に取り組んでいるが、2050年までにネット・ゼロ・エミッションを達成するという、より広範な業界の目標に引き続きコミットしていることを強調した。

 

新たな目標は、適切な航空機と代替ジェット燃料の確保という点で直面している課題を念頭に置いて設計されるという。

 

ニュージーランドナショナル・フラッグ・キャリアとして、これは非常に注目される逆転劇であり、航空会社が制約の多い脱炭素化目標を達成する上で直面する困難さに多くの注目が集まっている。


■■他の航空会社も追随するだろう


多くの気候変動目標がいかに野心的であるかを考えれば、他の航空会社がこれに追随することは驚くべきことではない。


グリフィス大学の持続可能な観光の専門家、ジェームズ・ハイアム氏は AP通信にこう語った。

 

ニュージーランド航空でさえ達成できないのであれば、現在の技術体制では航空会社による排出削減は不可能であるという現実が証明されたようなものだ。」


多くの航空会社は、これらの目標を達成するために必要な持続可能な航空燃料(SAF)が、従来の燃料よりもはるかに高価であるだけでなく、航空会社が必要とする量を大規模に生産することが困難であることに気づいている。

 

現在生産されている量は、SAFに対する需要全体のほんの一部に過ぎない。


この問題をさらに深刻にしているのは、大手航空機メーカーが新型機を予定通りに納入できないことで、ボーイング社もエアバス社も、近年はサプライチェーンの問題から納入が遅れている。全体として、より効率的な航空機の生産は予定よりかなり遅れている。


同航空会社はまた、目標を断念する理由の一部として、国内および世界レベルでの規制や政策支援を挙げている。


ドイツのルフトハンザドイツ航空日本航空、英国のイージージェット、チリのラタム航空、米国のユナイテッド航空など、他の航空会社数社もすでに短期的な排出量目標の達成を撤回した。


さらに、ドイツのフラッグ・キャリアであり、ヨーロッパで2番目に乗客数の多い航空会社であるルフトハンザドイツ航空は先月、排出削減に関するEUの新規則を遵守するための費用を賄うため、航空運賃に環境料金を上乗せすると発表した。

 

料金は航空券の種類にもよるが、1フライトあたり72ユーロ(77ドル)にもなる。