IMFと世界銀行が景気後退に警鐘を鳴らす

     
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【RT】2022年10月10日

https://www.rt.com/business/564417-recession-warnings-imf-world-bank/

 

世界銀行のデビッド・マルパス総裁とIMFのクリスタリナ・ゲオルギエヴァ総裁は、中央銀行がインフレ対策として金利を引き上げる一方で、その過程で成長を停滞させているため、世界経済は来年不況に突入する可能性があると指摘した。

 

この二人は、10月10日(月曜日)に行われた共同バーチャルディスカッションで発言した。

 

マルパス氏は、先進国の成長鈍化と多くの途上国の通貨安が世界経済の悪化を示唆していると指摘し、「来年は世界同時不況になる危険性と現実的な危機が存在する」と述べた。

 

「開発努力は、膨大な問題の中で危機に直面している」と付け加えた。

 

ゲオルギエヴァは、「景気後退のリスクが高まっている」ことに同意し、共同で世界のGDPの3分の1を占める国々が景気後退に陥るリスクにさらされていることを指摘した。

 

これらの国は、2022年の最終四半期と2023年の第1四半期にマイナス成長になる可能性があると付け加えた。

 

IMFの試算によると、景気減速による世界の損失は2026年までに4兆ドルに達する可能性があり、これはドイツのGDPに匹敵する規模だ。

 

とはいえ、ゲオルギエヴァは、政策立案者がインフレを手なずけるための措置を取らずに「暴走列車」にさせるわけにはいかないと述べた。

 

多くの中央銀行は今年、エネルギーコストの上昇と、パンデミック時代の緩やかな金融・財政政策の遺産によって引き起こされたインフレと戦うために、より厳しい金融政策で金利を引き上げている。

 

欧州中央銀行は、10年以上ぶりとなる7月の50ベーシスポイントの引き上げに続き、先月は前例のない75ベーシスポイントの基準金利の引き上げを行った。

 

米国連邦準備制度理事会は数回の利上げを実施し、イングランド銀行は8月に過去20年間で最も急な利上げを発表し、基準金利を半ポイント引き上げ1.75%とし、12月以来6度目の利上げとなった。