ウクライナ和平の可能性は「最小」、プーチン大統領電話会談後に国連総長が発言

ビデオスクリーンショット


【Insider Paper】AFPS2022年9月14日

https://insiderpaper.com/chance-for-peace-in-ukraine-minimal-un-chief-says-after-putin-call/

 


国連総長は9月14日、ロシアのプーチン大統領と電話会談した後、ウクライナの平和の見通しは現時点で「最小限」だと嘆いた。

 

アントニオ・グテーレス事務総長は、ロシアの食糧・肥料輸出に関連して残る「障害」を克服する取り組みについてプーチン大統領と話し合ったが、ウクライナでの戦争の早期終結に向けて十分な進展があったと考えるのは「甘い」だろうと警告した。

 

「平和にはまだ遠いという気がする。すぐにでも実現できると言えば嘘になる」とグテーレス大統領は記者会見で述べた。

 

「私は幻想を抱かない。現時点では、和平交渉の可能性はごくわずかだ」と付け加え、停戦さえも「見えていない」と指摘した。

 

ロシアが2月末に隣国に侵攻して以来続いている戦争について、暗い評価をしているにもかかわらず、グテレス氏は双方と連絡を取り続けていることを強調し、いつかより高いレベルの話し合いに移行できる、という希望を表明した。

 

一方、ロシアの輸出については協議が続いている。

 

グテーレス大統領は、9月14日(水曜日)にプーチン大統領と話し、輸出イニシアチブについて「その延長と可能な拡大」について議論したと述べた。

 

戦争でブロックされたウクライナ穀物輸出の流れと、ロシアの食料・肥料輸出の両方を可能にするという2部構成の合意は、7月に国連とトルコの仲介で行われ、120日間続く予定である。

 

約300万トンの穀物ウクライナからの輸出を許可された一方で、ロシアは、軍事攻撃を行ったモスクワを標的とした欧米の制裁により、自国の食糧と肥料の輸出は引き続き苦境に立たされているという。

 

グテレス氏は、「ロシアの食料と肥料の輸出はあるが、望ましいもの、必要なものよりもはるかに少ない」と述べ、黒海を経由したロシアのアンモニア輸出の可能性について議論していることを付け加えた。

 

重要な肥料成分であるアンモニアは、空気中の窒素と天然ガスから得られる水素を結合させて製造される。

 

欧州の肥料メーカー数社は、ガス価格の高騰によりアンモニアの生産を中止している。

 

グテーレス大統領は、肥料危機が「劇的」なレベルに達していると警告し、来年は世界的に食糧不足に陥るとの懸念を繰り返した。

 

また、プーチン大統領とは戦争捕虜やウクライナのザポリジャー原子力発電所の状況について話したという。