【NOQ】by:ランス・D・ジョンソン 2022年5月12日
■■ ロシアの石油
ロシア軍がウクライナに侵攻し、ウラジーミル・プーチンが軍事的目標を表明すると、ヨーロッパの指導者たちはすぐに状況をエスカレートさせ、ロシア国民に対して大規模な経済・銀行制裁を課した。
この制裁は、ヨーロッパと西側諸国に意図しない結果をもたらすドミノ効果を引き起こした。
米国、カナダ、欧州はロシアに対して厳しい「統一戦線」を張ったが、ロシアとの貿易戦争がエスカレートするにつれ、サプライチェーンが脅かされ、貴重な商品の価格が西側諸国全体で上昇したのである。
欧州の指導者たちは、最初からプーチンに対して大言壮語し、まったく影響力を持たないで空疎な要求をした。ロシアは制裁に対し、西側諸国の敵対国に対し、ロシアのエネルギー供給の対価を金やロシア・ルーブルで支払うよう要求してきた。
プーチンは欧州のハッタリに対抗し、欧米の脆弱性を露呈させた。欧州のガス購入者は、ロシア・ルーブルでエネルギー料金を支払うようになり、ロシアを煽った。
欧州中央銀行のマリオ・ドラギ総裁は、欧州のガス購入者がロシア・ルーブルでエネルギー料金を支払っていることを認めている。
ドラギ総裁は現在、「ほとんどのガス輸入業者」がガスプロムにルーブル建て口座を開設し、ロシアの要求を受け入れていると述べている。
欧州のガス購入者は次々とEUの対ロ制裁に違反しており、欧米の強硬発言は弱腰の響きでしかない。世界の基軸通貨である米ドルは、ロシアがペトロダラーを回避したことで、歴史的な打撃を受けつつある。
クレムリンが石油と肥料を西側に対するレバレッジとして握っているため、西側は静かにロシアに降伏している。同時にバイデン政権は、ウクライナで戦うナチス旅団のアゾフに、さらに米国の武器と軍備(最大200億ドル相当)を送ると脅している。
これは、ウクライナのキエフにあるアメリカ大使館で行われた武器移転の際に、ロケット推進擲弾筒を受け取ったナチスの大隊と同じものである。
過去8年間、欧米の指導者から訓練を受けたアゾフ大隊と同じである。米国の制裁が裏目に出ただけでなく、アゾフ・ナチス大隊との必死の軍事同盟は、罪のないウクライナの人々をさらに危険にさらすだけだった。
■■ イタリア首相、西側の経済戦争が裏目に出て、西側がロシアに屈服していることを明らかにした。
イタリアの首相であったドラギは、イタリアはEUの対ロシア制裁に違反することなくガス代を支払うことができると主張しようとした。
しかし、イタリアがEUの制裁に違反することなくガスを流し続けることができるという自信があるのかと質問され、ドラギは言い逃れをしようとした。
「実はかなり自信があるのだが、バカげた理由があってね。制裁に違反するとはどういうことか、公式には何も発表されていない。ルーブルの支払いが制裁に違反するかどうか、これらの支払いがどのように組織されているかについては、誰も何も言っていない。だから、ここはそんなグレーゾーンなんだ。」
EU委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は4月27日、欧州のガス会社はロシアのエネルギー需要に屈してはならないと明言した。「このような契約を結んでいる企業は、ロシアの要求に屈してはならない」とフォン・デア・ライエン委員長は述べた。「これは制裁違反となり、企業にとって大きなリスクとなる」。
ドラギはついに、ヨーロッパのほとんどが制裁を守れず、すでにプーチンのエネルギー要求に屈服していることを告白した。
「実のところ、ほとんどのガス輸入業者はすでにガスプロムにルーブルで口座を開いている」とドラギは言い、ヨーロッパはロシアに一日あたり数十億ドルをロシアの条件で払い続けていることを明らかにした。
ロシアに対抗する統一戦線は存在しない。すべて空論だ。
ロシアは、NATO諸国がウクライナに持ち込むあらゆる軍備を破壊し続けるだろう。
そして、西側の経済・銀行戦争の計画が裏目に出、サプライチェーンが世界中で揺らぎ、罪のない人々が苦しみ続ける中、そうしている間に金持ちになるのだろう。