元ロシア大統領メドベージェフ、「世界秩序」に警告

モスクワに課された制裁は、国連を含む国際機関の崩壊につながるとメドベージェフは主張している

 

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ファイル写真 ロシアの元大統領で、ロシア安全保障会議の副議長であるドミトリー・メドベージェフ氏。© Sputnik / Yekaterina Shtukina

 

ウクライナでの軍事攻勢開始以来、西側諸国がロシアに課している前代未聞の制裁は、既存の国際機関システムと国連の権威をさらに侵食するだけだと、ロシアのドミトリー・メドベージェフ元大統領が4月8日(金曜日)にテレグラムの投稿で警告を発した。

 

当初、『制裁』という言葉は国連安全保障理事会が課した措置にのみ適用されるものであったとし、現在西側諸国が『制裁』と呼ぶものはすべて、国際法上許されない一方的な制限に過ぎない、と述べた。

 

「これは、特定の国やブロックによって行われたロシア連邦の主権的権利の侵害に他ならない」と述べ、罰則は違法であるとした。現在、ロシア安全保障理事会の副議長を務めるメドベージェフ氏は、モスクワに課された「前例のない規模」の制限は、「すべての国際機関、主に国連の崩壊」につながるだけだと警告している。


また、これ以上の規制は、多くの国々の関係が格下げされるか、あるいは壊れてしまうため、国際関係のシステムを「行き詰まり」に導く可能性があると述べた。

また、メドベージェフは、制裁は「一国の経済的独立、ひいては主権を崩壊させることを目的としている」ことから、侵略に他ならないと述べた。

 

「本質的には...経済戦争の宣言である」とも述べ、これらの行為は自衛措置の対象となると警告した。

「ロシアが必要と考える手段で(自衛の)権利を行使することを、誰も疑うべきではない」と述べた。とはいえ、メドベージェフによれば、制裁はロシアを弱体化させるというその目的を達成することはできないだろう。ロシア国民を指導者に引き付け、制裁を行った国々を敵視させるだけだという。

 

「その結果、世界秩序は破壊され、世界経済には極めて大きな影響が及ぶだろう」とメドベージェフは警告し、その時までに、「制裁の効果というのが全くの嘘であることが誰の目にも明らかになるだろう」と付け加えた。

 

この発言は、EUがロシアに対する新たな制裁措置を発表した際になされた。EUは4月8日(金曜日)、金融および貿易部門に対する罰則と、ロシア産石炭の禁輸を科すと発表した。石油とガスの輸出は影響を受けなかった。4月8日(木曜日)には、ロシアは国連人権理事会のメンバーからも外された。