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【Free Beacon スタッフ】 2022年2月17日
10年以上前から、科学者たちは海水の酸性化が魚の個体数を減少させる可能性があると警告してきました。酸性化によって魚の行動が変化し、捕食者から逃れられなくなることが、いくつかの研究で明らかになったのです。
二酸化炭素の排出によってpH値が上昇するにつれ、気候擁護派は終末論的な論調を展開するようになりました。魚の数が減れば漁場が減り、世界中の何百万人もの漁師の生活が脅かされることになります。また、海洋生物に由来する医薬品の多くが減少することにもなりかねません。
生物学の権威ある学術誌に掲載された新しい論文によれば、こうした懸念は大きく誇張されたものであるとのことでした。
2月3日にPLOS Biology誌に掲載されたこの論文は、海洋酸性化が魚類の行動に及ぼす影響に関する91件の研究をレビューしたものです。
その結果、質の高い研究ほど魚の行動への影響が小さい傾向にあること、また、最も劇的な結果を示した研究でもサンプル数が少なく、統計的信頼性に欠けることが分かりました。
それにもかかわらず、これらの低品質な研究は、「インパクトのある雑誌に掲載され、不釣り合いなほどの影響力を持っている」と著者らは述べています。
「我々は、海洋酸性化が魚の行動に与える直接的な影響は無視できると主張します」と。
この論文は、科学的知見が、繰り返し検証されることによって、持ちこたえられなくなる、いわゆる再現性の危機を示す証拠が増えてきていることに付け加えています。
この危機は社会科学の分野で最も深刻だと考えられていますが、医学や生物学にも影響を及ぼしています。例えば、がんの研究では、多くの発見が再現されません。
海洋酸性化に関するコンセンサスに疑問を呈したのは、PLOS Biologyの論文が初めてではありません。2020年の『Nature』誌の研究では、「海洋酸性化はサンゴ礁の魚の行動を損なわない」と発表しています。